-

オムディア:2025年、フレキシブルスマホ用AMOLEDでLTPOがLTPSを抜き主流技術に

ロンドン--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 2025年下半期には、LTPO(低温多結晶酸化物)フレキシブルAMOLEDの出荷量が、LTPS(低温多結晶シリコン)フレキシブルAMOLEDの出荷量を上回る見通しであることが、オムディアの最新「OLEDディスプレイ市場トラッカー(OLED Display Market Tracker)」によって明らかになりました。

フレキシブルAMOLEDはすでにスマートフォンディスプレイ市場で主流技術としての地位を確立しており、さらにLTPOへの移行が進んでいます。2024年には、スマートフォン向けAMOLEDディスプレイの総出荷量が初めてTFT液晶ディスプレイを上回り、全体の51%を占めました。特にフレキシブルAMOLED市場では、ハイエンド機種での低消費電力ニーズの高まりが、LTPSからLTPOへのシフトを後押ししています。パネルメーカーの2025年下半期の出荷計画によると、LTPOのシェアは第3四半期に55.3%、第4四半期には58.8%に達すると予測されています。

この市場転換の主な牽引役はAppleの製品戦略です。2025年に、AppleはiPhone 16Eと新しいiPhone 17シリーズを含む5機種のAMOLED搭載iPhoneを投入しました。LTPS LCDベースのiPhone SEモデルの段階的廃止を示唆し、iPhone向けTFT LCDパネル需要が急減しています。結果として、AppleのAMOLED全体の需要は増加しており、新しいiPhone 17およびiPhone Airを含むiPhone 17シリーズ全4機種にLTPOフレキシブルAMOLEDを採用したことで、2025年下半期のLTPO需要は大幅に拡大しています。

加えて、中国のスマートフォンOEM各社もこのトレンドを加速させ、フラッグシップモデルからハイエンド・セグメントへとLTPOフレキシブルAMOLEDの採用を拡大しています。

パネルサプライヤーの視点では、この需要急増により、主要AMOLEDパネルメーカーの出荷増が見込まれ、サムスン・ディスプレイ、BOE、天馬微電子(Tianma)がその先行優位を得ると予測されています。

主席アナリスト、Brian Huh(オムディアのディスプレイ・リサーチ部門)は次のように述べています。「AppleがフラッグシップiPhoneへのLTPO AMOLED移行を完了する中、Androidブランドも競争力を維持するために同技術の採用を加速させています。同時に、中国のパネルメーカーも積極的にLTPOを推進し、マーケットシェアの獲得を図っています。こうした複合要因がスマートフォンディスプレイ市場におけるLTPO AMOLEDの力強い成長を確実なものにしています」

オムディアについて

オムディアは、インフォーマ・テックターゲット(Nasdaq: TTGT)の一部であり、テクノロジー分野に特化したリサーチおよびアドバイザリー・グループです。業界リーダーとの対話や数十万件におよぶデータポイントに基づいたテクノロジー市場に関する深い知見により、同社の市場インテリジェンスは、顧客にとって戦略的な強みとなっています。オムディアは、研究開発(R&D)から投資収益(ROI)まで、最も有望な機会を見極め、業界の進化を後押ししています。

本記者発表文の公式バージョンはオリジナル言語版です。翻訳言語版は、読者の便宜を図る目的で提供されたものであり、法的効力を持ちません。翻訳言語版を資料としてご利用になる際には、法的効力を有する唯一のバージョンであるオリジナル言語版と照らし合わせて頂くようお願い致します。

Contacts

Fasiha Khan: Fasiha.khan@omdia.com

Omdia

NASDAQ:TTGT


Contacts

Fasiha Khan: Fasiha.khan@omdia.com

More News From Omdia

オムディア、AIスマートグラス市場が2026年に1000万台に達すると予測

ロンドン--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- オムディアによる最新の調査によると、AIスマートグラス市場は力強い成長を遂げており、出荷台数は2025年に158%増加し、全世界で510万台に達すると見込まれています。2026年には、GoogleやXiaomiといった大手コンシューマーテクノロジーベンダーの参入により、市場規模は1000万台を超え、2030年には3500万台に達すると予測されており、2025年から2030年にかけて年平均成長率(CAGR)47%で成長する見込みです。 オムディアのリサーチディレクターであるジェイソン・ロウは、「日常的に使用するメガネにインテリジェンスを組み込むことは、私たちの日常生活を変革するポテンシャルを秘めています。手首に装着するウェアラブル型デバイスとは異なり、AIスマートグラスは、内蔵されたカメラやマイクによるプライバシーへの懸念や、一日中装着することへの社会的な抵抗といった課題に直面しています。短期的に見るとこれらの要因により、初期の愛好家層を除けば、AIスマートグラスが広く普及する妨げとなる可能性があります」と述べてい...

オムディア:世界のウェアラブルバンド市場、スマートウォッチとヘルステックの急伸により9%成長へ

ロンドン--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- オムディアの新しい調査によると、2025年第2・四半期に世界のウェアラブルバンド市場は出荷台数が記録的な5,020万台に達し、前年同期比では13%増となっており、勢いを増していることが明らかになりました。エントリーレベルの基本デバイスへの強い需要と、より高度な追跡機能の導入が相まっていることから、市場の拡大を後押ししています。オムディアは2025年に8%の成長を予測しており、さらに2026年には9%の増加が見込まれています。 「ウェアラブルバンドへの関心は、健康、フィットネス、スポーツに対する消費者の関心の高まりに後押しされ、急速に拡大しています」と、オムディアのアナリストであるジャック・レーゼムは述べています。「消費者が引き続き個人の健康とフィットネスを優先する中で、ウェアラブルバンドは健康、フィットネス、ウェルネスアプリの中核的なインターフェースとなっています。この傾向は今後も成長を促し、特にイノベーションによって医療・臨床市場への拡大が可能となり、さらに加速することが見込まれます。スマートウォッチが継続的な...

オムディア、ディスプレイ・ドライバーIC出荷が2026年の回復に先立ち2%減少すると予測

ロンドン--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- オムディアの最新「ディスプレイ・ドライバーICマーケット・トラッカー(Display Driver IC Market Tracker)」によると、ディスプレイ・ドライバーIC(DDIC)の世界出荷台数は2025年に前年比2%減少し、その後2026年には前年比2%の緩やかな回復が見込まれていることが明らかになりました。 大型DDIC:テレビ市場は減少する一方、IT分野が成長 大型DDICの出荷は前年比0.5%のわずかな減少となる見込み。主要分野における動向の違いが要因に: LCDテレビ分野:大型市場の40%を占め、DDIC需要が前年比6.6%減少すると見込まれています。この減少の主因は、より効率的なデュアルレート駆動(DRD)やトリプルレート駆動(TRD)技術の採用拡大にあり、一方でパネル出荷は前年比0.7%の小幅な減少にとどまる予想です。 IT分野:これに対し、IT用途向けのDDIC出荷は前年比3%増加が見込まれています。 中小型DDIC:スマートフォンは小幅減、スマートウォッチは大幅減に 中小型DDICの出荷...
Back to Newsroom