-

東芝:マイコンとモータードライバーを統合した「SmartMCD™」シリーズ第2弾製品のサンプル出荷開始について

~リレードライバー機能を内蔵、車載ブラシ付きDCモーター制御向け~

川崎--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 東芝デバイス&ストレージ株式会社は、マイクロコントローラー(マイコン)とモータードライバーを統合した「SmartMCD™」[注1]シリーズの第2弾製品として、リレードライバー[注2]機能とLIN[注3]トランシーバー機能を内蔵した新製品「TB9M001FTG」のサンプル出荷を開始しました。新製品は、リレーを駆動し、ブラシ付きDCモーターを2個制御できるため、車載ブラシ付きDCモーターの制御に適しています。

近年、車載機器の電動化が進む中、セカンダリーデバイス[注4]には、高性能化、高機能化、小型化、さらには部品点数の削減が求められています。こうした要求に応えるため、新製品を開発しました。

新製品は、リレードライバーなどに使用可能なローサイドドライバーを4チャネル内蔵しており、2つのブラシ付きDCモーターの正転・逆転制御[注5]が可能です。さらに、マイコン(Arm® Cortex®-M0コア)と大容量フラッシュメモリー、電源供給用途に使用可能なハイサイドドライバーを2チャネル、LINトランシーバー、車両のバッテリーレベルで動作可能な電源システムを内蔵しました。これらの機能を、小型パッケージであるVQFN48(7×7mm (typ.))に集積しています。

新製品は、電動サンルーフ、電動ワイパー、パワーウインドウ、パワーシートなど、車載のブラシ付きDCモーター制御に加え、各種センサーやアクチュエーターなどの制御も可能です。また、メインECUからのLIN制御により、セカンダリーデバイスとして多様な用途に活用できます。これにより、車両内のさまざまな機能を効率的に制御でき、幅広い車載アプリケーションに適用が可能です。

当社は今後も、SmartMCD™シリーズのラインアップをさらに拡充し、車載システムの小型化や部品点数の削減に貢献していきます。

[注1] 東芝デバイス&ストレージ株式会社が開発したMCDシリーズで、マイコンとモータードライバーを統合した製品群の名称。
[注2] マイコンや制御回路からの小さな電流・電圧の信号で、大きな電流を流すリレー (電磁スイッチ) を安全かつ確実に動かすための電子回路。
[注3] LIN (Local Interconnect Network):主に自動車の電子制御ユニットECU(Electronic Control Unit)間の通信に使われるシリアル通信プロトコルの1つ。
[注4] メインECU(Electronic Control Unit)を補助・サポートする役割を持つデバイス。
[注5] 単極双投リレーを2つ使用した場合。

応用機器

車載機器
・電動サンルーフ
・電動ワイパー
・パワーウインドウ
・パワーシート
など

 新製品の主な特長

・32bit MCU (Arm® Cortex®-M0)、動作周波数: 40MHz (低速・高速オンチップ発振器)を搭載
・内蔵メモリー (incECC SEC/DED [注6])
   Code Flash: 192KByte、Data Flash: 16KByte、SRAM: 16Kbyte
・ローサイドドライバーを4ch搭載:2個のブラシ付きDCモーターをリレーで正転・逆転制御可能
・通信方式: LIN通信、その他 (PWM通信選択型、UART)

[注6] 内蔵ECC (Error Correction Code) 機能付きで、1ビット誤り訂正 (SEC) および2ビット誤り検出 (DED) に対応

新製品の主な仕様

品番

TB9M001FTG

リレードライバー

ローサイドドライバー : 4ch (OUTL0-3)

(ブラシ付きDCモーター2個をリレー制御可能)

主なファンクション

LIN物理層 : 1ch (レスポンダー専用)

高耐圧入力 : スイッチ入力 5ch (SWIN0-4) 、ホールセンサー入力 4ch (HPIN0-3)

ハイサイドドライバー : 2ch (OUTH0(VB) (VB出力)、OUTH1(VCC) (VCC出力))

通信方式

LIN通信、PWM通信選択型、UART

異常検出機能

過電流検知機能 (ローサイドドライバー、ハイサイドドライバー)、

高電圧検出機能 (VCC (内部5V)、VDD(内部1.5V))、

低電圧検出機能 (VCC (内部5V))、過熱検知機能

絶対最大定格

電源電圧 VB (V)

-0.3~40

動作範囲

電源電圧 VB (V)

6~18

動作温度 Topr (°C)

Ta=-40~90

Tj=-40~150

パッケージ

名称

P-VQFN48-0707-0.50-005

サイズ (mm)

typ.

7.0 × 7.0

信頼性

AEC-Q100 Grade 1 適合

ASIL-A[注7] 適合

量産時期

2025年12月予定

[注7] ASILはAutomotive Safety Integrity Levelの略、ISO 26262という車載機能安全規格に基づいて定義された機能安全の要求レベル、ASIL-Aはその中で最も低い安全要求レベルであり、機能の故障が人命や車両に与える影響が比較的小さいと評価された場合に適用

関連コンテンツ

新製品の詳細については下記ページをご覧ください。
TB9M001FTG

当社の車載モータードライバー製品については下記ページをご覧ください。
アナログデバイス

*Arm、Cortexは、米国および/あるいはその他の国におけるArm Limited (またはその子会社)の登録商標です。
*SmartMCD™は東芝デバイス&ストレージ株式会社の商標です。
*その他の社名・商品名・サービス名などは、それぞれ各社が商標として使用している場合があります。
*本資料に掲載されている情報 (製品の価格/仕様、サービスの内容及びお問い合わせ先など) は、発表日現在の情報です。予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

Contacts

お客様からの製品に関するお問い合わせ先:
アナログデバイス営業推進部
Tel: 044-548-2219
お問い合わせ

報道関係の本資料に関するお問い合わせ先:
東芝デバイス&ストレージ株式会社
デジタルマーケティング部
長沢 千秋
e-mail: semicon-NR-mailbox@ml.toshiba.co.jp

Toshiba Electronic Devices & Storage Corporation


Release Versions

Contacts

お客様からの製品に関するお問い合わせ先:
アナログデバイス営業推進部
Tel: 044-548-2219
お問い合わせ

報道関係の本資料に関するお問い合わせ先:
東芝デバイス&ストレージ株式会社
デジタルマーケティング部
長沢 千秋
e-mail: semicon-NR-mailbox@ml.toshiba.co.jp

More News From Toshiba Electronic Devices & Storage Corporation

東芝:AEC-Q100に準拠した車載用2チャネルスタンダードデジタルアイソレーターの発売について

川崎--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 東芝デバイス&ストレージ株式会社は、車載用スタンダードデジタルアイソレーターとして、100kV/μs(typ.)[注1]の高いコモンモード過渡耐性(高CMTI)による安定動作と、50Mbps(max)[注2]の高速データ通信を実現した、ハイスピード2チャネル車載用スタンダードデジタルアイソレーター「DCM32xx00シリーズ」4品種を製品化しました。新製品は、自動車用電子部品の信頼性を確保するための品質規格AEC-Q100に準拠しています。本日から出荷を開始します。 ハイブリッド車(HEV)と電気自動車(EV)のオンボードチャージャー(OBC)やバッテリーマネジメントシステム(BMS)などでは安全性と信頼性を確保するために、絶縁を担保しノイズの伝搬を防ぐアイソレーションデバイスは欠かせません。これらのアイソレーションデバイスに要求される、多チャネルの高速通信、高CMTI要求へのソリューションとして、車載用スタンダードデジタルアイソレーターは適しています。 新製品は当社独自の磁気結合型絶縁伝搬方式[注3]を採用すること...

東芝:産業用機器の高効率化、高電力密度化に貢献する650V耐圧第3世代SiC MOSFETのDFN8×8パッケージ製品発売について

川崎--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 東芝デバイス&ストレージ株式会社は、スイッチング電源や太陽光発電用インバーターなどの産業用機器向けに、当社最新[注1]の第3世代シリコンカーバイド (SiC) MOSFETチップを小型DFN8×8パッケージに搭載した、650V耐圧の4製品「TW031V65C」、「TW054V65C」、「TW092V65C」、「TW123V65C」を製品化しました。本日から量産出荷を開始します。 新製品は、第3世代SiC MOSFETで当社初の小型面実装パッケージのDFN8×8を採用しています。従来のリード挿入型パッケージのTO-247、TO-247-4L(X)パッケージに比べ体積が90%以上削減されており、機器の電力密度の向上に貢献します。 また、面実装によりリード挿入型より寄生インピーダンス[注2]成分が小さくなり、スイッチング損失を低減します。さらに、4端子タイプ[注3]であるため、ゲートドライブ用の信号ソース端子をケルビン接続することで、パッケージ内部にあるソースワイヤのインダクタンスによるスイッチングへの影響を小さくでき、高...

東芝:機器の小型化に貢献する車載用ブラシ付きDCモーター向けゲートドライバーの量産開始について

川崎--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 東芝デバイス&ストレージ株式会社は、パワーバックドアやパワースライドドアのラッチモーター[注1]やロックモーター[注2]、パワーウインドウやパワーシートなどの駆動モーター向けに、車載ブラシ付きDCモーター用ゲートドライバー[注3] 「TB9103FTG」の量産を開始しました。 近年車載機器では、従来は手動であった可動部の電動化が進み、自動車1台当たりのモーターの需要が増加しています。モーターを駆動するドライバーの数も増加しており、システムが小型化、統合化されています。中には回転速度制御不要のモーターアプリケーションもあり、機能、性能を絞ったドライバーが求められています。 TB9103FTGは、回転速度制御不要のブラシ付きDCモーター用ゲートドライバーに必要な機能と性能を絞り込むことで小型化を実現しています。また、チャージポンプ回路[注4]を内蔵し、モーター駆動用外付けMOSFETを十分に駆動できる電圧を確保しています。さらに、ゲート監視機能を搭載しており、ハイサイド外付けMOSFET、ローサイド外付けMOSFETへの...
Back to Newsroom