NIQ新レポート:品質、利便性、衛生面が2026年の家電市場の成長を牽引
NIQ新レポート:品質、利便性、衛生面が2026年の家電市場の成長を牽引
- 消費者向けテクノロジー・耐久財(T&D)市場における販売台数は、2025年前半に1%増とほぼ横ばい傾向が続く一方で、ドル・ベースでの売上高は4.6%増となり、消費者による商品1点当たりの支出額が増加していることが明らかに。
- 米国での「鉄鋼相当品」に対する50%の関税は価格の上昇要因となり、米国における主要家電製品全体の需要に影響を及ぼし、海外ブランドの需要を押し下げる見通し。
- 国際的な小型家電市場では中国ブランドがイノベーションを主導し、プレミアム価格帯で存在感を高める。
- 掃除機、洗濯機、および食器洗い機などの衛生関連家電製品は、今年上半期で6%の売上成長を記録し、T&D全体の価値成長を上回る。
シカゴ--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- ニールセンIQ(NYSE:NIQ)は、「Home Appliances Outlook 2026: What consumers want(2026年家電業界の展望:消費者ニーズ)」レポートを発表しました。同レポートでは2026年の家電業界を形成するマクロ要因、そして成長を促進する可能性が最も高い製品イノベーションを明らかにしています。
NIQは、2024年から2025年にかけて消費者向けテクノロジー・耐久財(T&D)の世界市場が前年比2%の売上成長を記録すると予測しており、その成長において家電製品が大きな位置を占めるとしています。
2025年上半期におけるT&D製品の世界販売は、全体として2024年同期比4.6%増と成長し、大型家電製品(MDA)を除く全ての分野で消費者による商品1点あたりの支出が増加しました。消費者は支出に対して依然として慎重な姿勢を保ちつつも、スマートな利便性、多機能性、エネルギー効率、あるいは健康・衛生面でのメリットを提供する家電製品には支出に意欲的な姿勢を示しています。
家電業界の姿を変革する新たな市場動向
- 中国ブランドの国際市場での躍進 :今年上半期、中国ブランドはプロダクト・イノベーションにより小型家電製品(SDA)の売上において世界市場シェアを40.1%拡大、また価格競争力を背景に大型家電製品(MDA)の売上では23.5%拡大を達成しています。
- 下取り政策の拡充 :中国の家電下取り政策が、引き続き売上の促進要因となっています。2024年末の中国の消費者24,000人を対象に実施したNIQ調査によると、71%が補助金を利用して家電製品を買い替えたことが明らかになりました。
- 関税の影響:2025年6月下旬に、米国への大型家電製品輸入品に対する「鉄鋼相当品」への50%の関税が施行されました。この要因により、米国における海外ブランドへの需要が抑制される可能性が高く、こうしたブランドは収益の損失を補うべく、他の市場へ進出する可能性が考えられます。
- X世代の購買力:向こう5年間で支出が最も多く見込まれるX世代は、耐久性、品質、省エネルギーを重視しており、79%が家庭でのエネルギー節約に重点を置いています。複数の世代にわたるニーズを両立させる役割を担う消費層として、X世代は家電業界にとって最優先となるターゲット層です。
- 買い替えサイクル:小型家電製品の買い替えサイクルは平均で5~6年とされています。小型家電分野における近年の技術革新がコモディティー化することで価格帯が下がり、それにより、消費者が既存製品をよりスマートで高級な製品に買い替える動きが強まっています。大型家電製品においては、2028年には買い替え需要が高まると予想されています。
NIQのグローバル・テック・アンド・デュラブルズ担当プレジデントであるジュリアン・ボールドウィンは、「価値主導の消費者行動、世界貿易の変化、デジタル・トランスフォーメーションが交差することで、家電メーカーや小売業者にとって新たな機会とリスクが生まれています。こうした変化の激しい状況の中で成長を実現するには、戦略的な柔軟性が不可欠となるでしょう」と述べています。
同レポートでは、2026年に家電製品の需要を後押しするトレンドについても考察しており、その中には以下が含まれています。
- オムニチャネルの可能性を最大限に活用:消費者は製品調査や購買ニーズを満たすため、あらゆるチャンネルを柔軟に利用しています。SDA販売はオンラインが優勢(世界全体で51%、中国では95%まで増加)である一方、MDAのオンライン販売は今年上半期では世界全体の30%という記録を示しています。さらに、オンラインと店舗の両方で製品を調査する消費者の39%は、最終的に購入する場所にかかわらず、購入時には当初の予算を超えて支出する傾向が強く見られます。
- サステナビリティー志向の高まり:2025年現在、消費者の45%が購入時に環境負荷を考慮しています。エネルギー効率がMDA購入における主要な要因であり、製品の生涯エネルギー消費量の90%は製品の使用期間中に発生します。2026年においても、エネルギー効率はMDA購入者にとって主要な購買要因と位置づけられるでしょう。
- 健康面への配慮:掃除機、洗濯機、食器洗い機といった衛生関連家電製品は、今年上半期に6%の売上成長を記録し、T&D全体の価値成長を上回っています。さらに、消費者の74%が健康・ウェルネス機能搭載の技術を非搭載技術よりも好むと回答しており、また44%がヘルステック家電製品の購入意欲を高める主要因として、より健康的な料理を挙げています。
レポートの全文をダウンロードいただき、詳細情報、そして今後1年間のプロダクト・イノベーション、品揃え、マーケティングにおける投資分野に関するブランド向けのガイダンスをご覧ください。
レポートについて:
NIQの「Home Appliances Outlook 2026: What consumers want(2026年家電業界の展望:消費者ニーズ)」レポートは、業界で定評のあるNIQのグローバル調査シリーズ「State of Tech & Durables(テクノロジー・耐久財の現状)」の最新レポートです。同レポートでは、特に家電製品分野における消費者の購買動向を調査し、メーカーや小売業者が2026年に成功を収める上で必要となる主要なイノベーションと市場アプローチに関して明確な予測を示しています。地域別インサイトに関するガイドでは、アジア太平洋地域、東欧および中東・アフリカ地域、ラテン・アメリカ、北米、西欧の各地域における大型・小型家電製品の地域別成長予測を紹介しています。
NIQについて:
ニールセンIQ(NIQ)は、消費者購買行動に関する最も包括的な理解を提供し、新たな成長経路を明らかにする、業界大手の消費者インテリジェンス企業です。グローバルなリーチは90か国以上に及び、世界の人口の約85%と、7兆2,000億ドルを超える世界の消費者支出をカバーしています。NIQは、包括的な小売の分析と消費者インサイト(最先端のプラットフォームによる高度な分析機能により提供)により、Full View™を実現します。詳細情報については、niq.comをご覧ください。
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